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どうやって山を登ったのか、わかりません。
気づくと私は、大きな噴火口をのぞきこんでいました。
強い風。
ガスがすっかり吹き払われて、火口の底には夜をうつした、くらい水がよどんでいます。
そのしたにはきっと、燃えたぎるマグマがうねっていることでしょう。
「 K 」
私は妹の名を呼んでいました。
「そこにいたのか、あいたかった」
水の底から妹の声が響きます。
―― あたしたちはやっぱり、運命ね。
―― もう絶対に離さないわ
私のからだが、なにものかに引っぱられます。
いや、考えるまでもない。
こんなことをするのは、妹よりほか、いないでしょう。
もうなんでもいい。
私はもう疲れた。
もう、考えたくない。
なぜ憎まれるのかも、どこで間違ったのかも。
もう、なんでもいい。
妹よ、おまえが私を殺すなら、それはそれでかまわない。
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