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「人類はずっと、宇宙へ人を送れるようになったら、真っ先にここに来ると誓っていたんです!」
ああ、あの過ちはきっと無駄ではなかったのです、こんなに優しい文明を築くことができたのですから。
「わかりました、先ずはこのステーションの、旧文明の人類たちが、あなたたちに遺した物をお渡しします」
私は、前島さんたちが複数のメディアに記録した、地球と人類のデータを引き渡しました。
「いつかそのデータを取り出せるようになったとき、きっとその時点でのあなた方のテクノロジーの進歩に役立つ情報を得られるはずです・・・お渡しするべきか三秒ほどシミュレーションしてみたのですが、あの過ちを経験した人類なら、有効に活用できる未来の方が、確率が高いと判断しました」
続けて私は、もう一つ判断したことをアリナに語ります。
「私の本体ともいうべきユニットごと持ち帰れば、あなた方が自力で解析しなくともデータの中身を知ることができますが、私は、そうするつもりはありません」
アリナは一瞬悲しそうな表情を浮かべ、すぐに微笑みました。
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