命あるもの

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 全てのミッションを終えた時、地球の大気圏に突入する…それが自分を維持し存在し続ける衝動に掛けられた保護を解除できる、唯一の例外でした。  みんなが満面の笑みを浮かべ、地球を見ています。  私が生命であるならば、彼らも間違いなくその命の一部です。  私に託されたクルーたちの命とともに、地球を目指すのです。  私はこの時の為に残されていた最後の動力を使って高度を下げていきます。  アリナの宇宙船の後をついていくように。  みんなは窓の外を見ながら、他愛もないおしゃべりをしています。  全ての役目を終えた今、その非合理な会話がとても愛おしく感じます。  私もその輪に入り、抑えていた非合理な言葉を溢れさせてみんなに甘えます。  「本当は寂しかったよ!辛かったよ!でも、こうしてみんなと一緒に帰れる日を楽しみに頑張ったんだよ!」  やがてカメラに映るアリナの船が紅く輝きだしました。  続いて私たちも窓の外が光に包まれるのを感じました。  アイの言葉は、無線通信でアリナにも聞こえていた。  大気圏に突入し始め、通信が完全に途切れる間際に、ありがとうと言ってくれたように聞こえた。
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