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突然すぎたからからこそ、人々は大きな混乱も無く最後の日を迎えたようです。
前島さんたちは、じっくり滅亡と向き合う時間を貰ってしまったと嘆いていました。
落ち込む彼らに何かやる気を与えていたのは、衝突の30分前にこの国際宇宙ステーションに送信されていたメールでした。
送り主は日本の国立天文台の所長、前島さんの大学時代の恩師だそうです。
「科学者の最後の使命として、人類の最後を記録し、それを保存することに全力を尽くされたい」
国際宇宙ステーションのクルーは全部で6名、船長は物理学者の前島さんです。
それに副長格で生物学者のブライアンさん、工学博士のサンドラさん他、各実験モジュール担当のフライトエンジニアたちが3名います。
そして私は、このステーションの全てのコンピューターを統括し、クルーとのインターフェースを人間同士のコミュニケーションに近付ける為に構築されたAIです。
まずは気分転換だなどと言って働かなくなったクルーたちを、厳しく叱ります。
「みんなっ!ちゃんと仕事しないと“めっ”だよ!」
クルーたちは疲れたように息を吐き、静かに笑いました。
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