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結果的に、僅かではありますが、燃え尽きずに地表に激突した小惑星の質量は、予測より小さくなっていたのです。
「どうして教えてくれなかった?」
誰も観測結果を聞いてこなかったからに決まってます。
「それじゃあ、人類は!」
「絶滅の可能性が100ではなくなったというだけです」
「確認出来るまで、俺たちは生きられないだろうな」
「それでも・・・!」
「この大災害を生き延びた人類に、何かを残せるなら!」
その可能性は僅かだと言っているのに。
「生存可能性の再計算結果をご覧になりますか」
前島さんは、クルーたちを見てから静かに首を振りました。
「ゼロでないなら、それでいい」
私をどうするのか、方向性は大きく変わったようです。
「アイを人工衛星として、半永久的に落下しない高度まで打ち上げる」
実験モジュールの一つを改装して資材と工作機械を集め、私を知能と自己修復機能を持った衛星として、永遠のような時間人類を見守る存在にするのです。
軌道の上昇は、ドッキングしたままになっていた物資運搬用の連絡船を使います。
ステーションの改装と並行して、クルーたちは追加の資料を纏め始めました。
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