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#day1[ファイル4]
「私達(探偵達)がいることに気付かれないように。慎重に、少しでも会話を長引かせて下さい。紫音さんの今の状況を聴けたら凄く良いです。」
「はい…!」
そう晶人さんに指示し、私達はすぐ傍で物音をたてないように、聴き耳を立てて聞いていた。すると、紫音さんと思われる女の子の声が受話器から聴こえてきた。
「お父さん…!助けて…!ある学校に連れ込まれて…。脅されてるの…!ランドセルも置いてきちゃったし…!行事も終わってないのに…!」
紫音さんは途中から良く分からないことを言い出したので、晶人さんは戸惑っていて声が出ていなかった。しばらくすると誘拐犯が紫音さんを突き飛ばした音が聴こえ、また誘拐犯の声が聴こえてきた。
「良いか!?娘を返してほしければ10億円を今から言う場所に持ってこい!さもなければ、娘の命はないぞ!」
「待って下さい…!最後に娘の声を-」
晶人さんがそう言いかけた時、電話からツーツーと、電話が切れた音が聴こえた。もう娘は帰って来ないかもしれないと泣き叫んでいる芝浦夫妻に私はこう言った。
「大丈夫です。もう全部、聴査出来ました。」
「え…?」
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