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③AIスキル炸裂
討伐依頼を受けた俺たちは、馬車に揺られて王国の南門前に足を下ろした。
広大な平原が続く中で、ポツポツと緑色や茶色の魔物が姿を現した。
ビッグトード。その名の通り、大きいカエルである。
所詮カエルだろ? って思われるかもしれないが、中には毒を吐いたり、粘液を飛ばしてきたりする個体もいるので、油断が出来ない。
何よりビッグトードの厄介なところは、その大きさからは想像出来ない跳躍力にある。
大きく飛び上がって落ちてくるその姿は、カエルというより隕石に近い。
「数は1、2……3体か。アイコ、鑑定して『弱点属性』を教えてくれ」
【了解】
影に隠れるでもなく、堂々と姿を現したままの俺たち。そんな俺たちに気づいたのか、三体のビッグトードが此方へ向かってくる。
程々の高さで、ぴょんぴょんと向かってくるカエル達を、アイコは1秒とかからない速さで鑑定を済ませた。
やはり、進化してから鑑定結果を出すまでが早いな。基本的にラグが発生するものだけど、これならすぐ敵に対応できるかもしれない。
【──結果でました。三体とも「火」属性への適正無し。ご主人、火炎瓶の準備を】
「出来る訳ないだろ」
いや、何でそこで火炎瓶なんだ? と思ったが、そこまで口に出す事はない。実体化したアイコが、こうして無茶苦茶な事を言ってくるのは、今に始まった話じゃない。
そもそも前世でやってたアプリでも、こんな事ばっか言ってたしな。
とは言ったものの、どうしたものか。
俺としては、アイコの持つ能力がどんなものか確認する為に来たんだけど、基本的に「鑑定」の域を出ていない。
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