③AIスキル炸裂

3/3
前へ
/18ページ
次へ
「お前これ、この世界に七つあるとされている、魔剣の一つじゃないか」 【ふふふ。上手いでしょう】 「いや上手さはどうでもいいが……。それで、その絵をどうするんだ?」  尋ねると、アイコはその絵に手を突っ込み、勢いよく抜き出した。 【どうやらこのスキル、イラストを一時的に実体化させる事が出来るみたいです。さあご主人、やっちゃってください】 「おお……。なんかお前、しれっと恐ろしいスキルを取得しているな……」 【ですね。自分でも怖いです】  目がギラついてる気がするのは気のせいだろうか? まぁ良い。  俺は魔剣を受け取り、ビッグトードめがけて振り下ろした。  瞬間、目の前にいたビッグトードが弾け飛ぶ。  そして、広大な大地を一直線で剣撃が走り、遥か彼方で巨大な火柱が上がった。 「……」 【……】  ──なるほど。このスキル、ダメなヤツだ。 【……ご主人】 「……なんだ」 【……世界、とっちゃいます?】 「とらねぇよ!」  振り下ろした魔剣を適当に投げ捨てると、元から無かったかのように姿を消した。そして俺たちもその場を後にした。  ギルドには、「ビッグトードを討伐した」事を伝えたが、魔剣(イラスト)生成については報告しなかった。  帰ってきた時には、既に大問題になっていたからだ。    そこで俺は決めた事がある。 「AIイラストで出すヤツは、この世界の常識に則ったものにしような」 【チッ。はい、わかりましたご主人】 「お前いま舌打ちしなかった?」  一人……いや、二人で何とかクエストを達成した訳だけど、こんな調子じゃ、先が思いやられるな……。
/18ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加