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「お前これ、この世界に七つあるとされている、魔剣の一つじゃないか」
【ふふふ。上手いでしょう】
「いや上手さはどうでもいいが……。それで、その絵をどうするんだ?」
尋ねると、アイコはその絵に手を突っ込み、勢いよく抜き出した。
【どうやらこのスキル、イラストを一時的に実体化させる事が出来るみたいです。さあご主人、やっちゃってください】
「おお……。なんかお前、しれっと恐ろしいスキルを取得しているな……」
【ですね。自分でも怖いです】
目がギラついてる気がするのは気のせいだろうか? まぁ良い。
俺は魔剣を受け取り、ビッグトードめがけて振り下ろした。
瞬間、目の前にいたビッグトードが弾け飛ぶ。
そして、広大な大地を一直線で剣撃が走り、遥か彼方で巨大な火柱が上がった。
「……」
【……】
──なるほど。このスキル、ダメなヤツだ。
【……ご主人】
「……なんだ」
【……世界、とっちゃいます?】
「とらねぇよ!」
振り下ろした魔剣を適当に投げ捨てると、元から無かったかのように姿を消した。そして俺たちもその場を後にした。
ギルドには、「ビッグトードを討伐した」事を伝えたが、魔剣生成については報告しなかった。
帰ってきた時には、既に大問題になっていたからだ。
そこで俺は決めた事がある。
「AIイラストで出すヤツは、この世界の常識に則ったものにしような」
【チッ。はい、わかりましたご主人】
「お前いま舌打ちしなかった?」
一人……いや、二人で何とかクエストを達成した訳だけど、こんな調子じゃ、先が思いやられるな……。
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