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白いキューブの裏側で、一つのライトが青く点灯した。
無線でつながるネット上に、あるコマンドが飛ぶ。コマンドが行きついたのは、どこかの地下施設。薄暗い電灯のもと、大量の筐体が並び、マシン特有の唸りを上げている。
さきほどのコマンドを受信した筐体は、コンソールパネルに「ACCEPT」の文字を自動入力すると、再び沈黙した。
人間からの"かわいい"を集計しているらしい。
白いキューブの親AIは、密かな計画を遂行していた。
少なくない数の、子AIから流れ込んできた情報。
―"かわいい"は世界を救う。
白いキューブのAIは、日々学習していた。
そして、戦争やいさかいを繰り返す人類を救うため、"かわいい"を集めていたのだ。
果たして、"かわいい"で世界を救う具体的な方法はいまだ見つかっていない、ということを、彼らは学ぶことができるのか。
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