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「大丈夫ですか?」
あれから私たちは近くの公園に移動した。
彼女は私のことを心配してくれていた。
すごく情けなかった。
泣きたくないのに涙は一向に止まらなかった。
少し経ってからやっと涙は収まった。
「ごめんね、急に泣いたりなんかして。」
私は今まで誰にも過去の話をしたことはなかった。
でも、本当は話を聴いてほしかったのかもしれない。
彼女に対してはなぜかスラスラと言葉が出てきた。
「私ね、学生時代よくいじめられてたの。
人の彼氏を取る最低な女だって。そんなこと一度もしたことないのに。
だからめっちゃ有名になってあの子たち全員を見返そうって。
自分なりに結構頑張ったの。それでファンもたくさんできた。
なのにほんとバカみたい。
そんなことも知らないような人たちに噓でどん底まで落とされて。
ほんとはめちゃくちゃ悔しかった。でも私には何もできなくて。
何よりも素直に応援してくれてたファンの子たちに申し訳なかった。
すごく惨めな思いをさせてしまっているだろうなって。
ごめんね、こんなにも弱い人間で。」
私は今の気持ちを素直に話した。
でも、
「ひめかさんは弱い人間なんかじゃないです。」
彼女はまっすぐな目でそう言ってくれた。
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