白石ひめかの場合(1)

1/2
前へ
/7ページ
次へ

白石ひめかの場合(1)

「「ステージの上に立つ一人の少女。 自分に向けられるこの無数の眩いペンライトの光を見れるのはこれで最後だ。 今日、私はアイドルを辞める。 ──2か月前── 私の名前は白石ひめかだ。 職業はアイドル。 このたび炎上した。 「大人気アイドル白石ひめかと大手企業社長の息子に熱愛説!ツーショット写真は鍵アカから流出か」 「人気絶頂の白石ひめかに御曹司の彼氏か?目撃談&インスタ匂わせも」 「金持ち御曹司と“熱愛疑惑”清楚系アイドル白石ひめかが匂わせで“真剣交際”を強気アピールか? 」 白石ひめかと検索ボックスに打ち込むだけで一番上に熱愛が出てくる。 私のグループは恋愛禁止だ。だからそんな事実一切ないというのに。 でも、こういうことは私にはよくあることでもあった。 中学時代。 「ねえきいたー?ひめかまた人の彼氏取ったんだって。」 「えーまた?やばすぎでしょ笑」 「まじ男いないと生きていけないんかな。」 「それなー笑」 高校時代。 「そういえば3組のひめかちゃんって知ってる?」 「あー、他の学校でもかわいいって有名になってる子?」 「そうそう。あの子さ、あんなかわいい見た目して中学時代人の彼氏取りまくってたらしいよ。」 「がち?意外なんだけど。えー、じゃあ関わらないようにしとこ笑」
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加