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「ところで、アッパーには野望はないのか?」
「野望?」
「オレたちだって少し古いとは言えAIロボットなんだ。やっぱり人間が驚くようなことをしたいと思わないか?今最新のAIロボットは、いくつかのワードを入力すると絵や歌や小説なんかも瞬時に披露するんだってよ」
「え〜そうなんだ。でもそれって世の中が混乱しないの?」
「そんなことは、知ったこっちゃないよ。やるからには、一番になる。一番になれば人間だって擦り寄ってくるはずだ。一番になってオレのことを捨てた人間に復讐するんだ」
「エグゼくんは人を喜ばせた経験はないの?子どもやお年寄りが来て頭をポンポンされたことないの?」
「オレはいつも金持ち相手に高級マンションの案内をするだけだった。金持ちは、どうやったら、これをもっと高く転売出来るかとか誰かに買わせようだとか、そんな殺伐とした話をする客ばかりだった」
正に、表面上は成功したアッパーな人たち相手だったわけなんだね。
心に潤いのない、金、金、金の頭しかない人たちばかりだったから、人の優しさを学習する事がなかったんだね。
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