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 艶やかな漆黒の髪に、黒曜石の瞳。  白磁のような滑らかな肌は瑞々しく、頰はほんのり薄紅色。柔らかく張りのある唇は、どんな男の視線をも奪う。  エレイン。  ああ、貴女は本当に美しい娘。  けれども、その類い希なる容姿を、ちっとも鼻にかけたりしない。 「まぁ、ママったら。それは贔屓目というものだわ」  貴女は、コロコロと美声を弾ませる。  ええ、そうね。貴女は、いつもそう。自分のことを褒めたりしない。私がの色眼鏡を通して、世の中の女性を眺めてみても――やっぱり貴女は綺麗だというのに。  私は、丸い顔に白い髪。瞳の色もくすんだ灰褐色。肌感もぼんやりとして……お世辞にも美しいとは思えない。  でも、いいの。私のことは、構わない。今更どこぞに嫁ぐわけでもないのだし。  ああ、神様。  こんな私に、過ぎた娘を授けてくれて、心から感謝します。
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