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「…え?」
「経営者としてそれに専念してるならともかく、彼のようにプレイヤーとしても動く社長なら、今日みたいなことはこれからも茶飯事になるぞ? こうやって望愛は一人家に残される」
「でも、それは――」
雅也君は私が間に言葉を挟むことを拒絶するように間を置かずに話し続けた。
「わかってる。会社のため、ひいては従業員のためだ。社長としては当然のことだ。だけど、その裏で一緒にいる者は…"家族"が犠牲になる。もし、これから先、アイツと一緒になって、子供が出来たらどうだ? その子供も一緒に放っておかれる」
「雅也君、」
「望愛はそれでいいのか? 自分だけじゃなく子供まで―――」
「雅也君!」
私が彼の腕を掴むと、彼の口はやっと止まった。
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