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病院に着くと、雅也君が出迎えてくれた。 「お母さんは!?」 「診てもらって、今は病室で休んでるよ。念のため今日は入院になった」 「入院!? そんな、どこが悪かったの!? 熱だけで!? 何か他に――」 「落ち着けって。大丈夫だよ」 思わず雅也君の腕を握る私の手を雅也君は自分の手に取り、大きな手で包み込んだ。 「高熱で咳もひどかった。少し肺炎になりかけてたみたいだ。今は点滴打ってもらいながら眠ってる。落ち着いてるよ」 「咳も…。肺炎…」 身体から力が抜けた。 このところ、母とはメッセージのやり取りばかりで電話で声を聞いていなかった。電話をしていれば…咳が酷かったことにも気づけたかもしれないのに…。 「望愛、大丈夫か?」 自分に落胆する私を支えるように雅也君が私を抱きしめようとしてくれた。 私は「大丈夫だよ」と返事をしながら背中に回された雅也君の腕を降ろした。 「おばさんが寝てるうちに一度帰って入院の準備をしてこよう。2、3日ってことらしいけど荷物は必要だし。さっき看護師さんから説明聞いたよ」 「…ごめんね、ありがとう」
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