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「うん、気持ちいいよ。すごく贅沢な気分…」 美容室以外でしてくれる人なんて他にはいないから。 私が満足気に頭を後ろにもたげて揺らすと雅也君はドライヤーを持つ手を持ち替えた。 「…望愛、知ってたか? コレってな…望愛だけじゃなくて…乾かす側の俺も気持ちいいんだぜ?」 「…そうなの?」 「望愛からはずっといい匂いがしてくるし、髪の毛自体が自分のとは違って触り心地がいいし、何より…後ろから無防備な望愛のことをずっと見てられる」 「何それ」と私が笑うと、「出来た」と雅也君はドライヤーを止めた。 「ありがとう」と後ろを振り返った瞬間、ソファにいた雅也君が覆いかぶさったかと思うとソファとテーブルの間に私の身体を倒した。 「ちょっと雅也君!?」
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