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部屋に一人になっても、少しの間、落ち着かなかった。
雅也君にとっては昔のじゃれ合いの延長なのか、一瞬"怖い"と思ったあの瞬間はなんだったのか…。
もちろん、すぐに寝付けるはずもなくベッドにうつ伏せていると、ドアの向こうから声がした。
「…望愛、寝たか?」
返事をしようか迷った。このまま寝てしまったことにしておいた方がいいかもしれないと一瞬頭の中をよぎった。
だけど私は返事をしていた。
「ううん、まだ」
「そか…。さっきは…ごめんな。久しぶりの再会で…はしゃぎ過ぎた」
私は小さく息を吐き出した。
「もういいよ…。私の方こそ…変な風にびっくりしちゃってごめんね」
雅也君がはしゃぎ過ぎただけならば、私はそれに過剰に反応してしまっただけだった。
「ちゃんと話したいことはあるのに…どう切り出していいかわかんなくてさ」
私は思わず身体をベッドから起こした。
「…ちゃんと…話したいことって…?」
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