くろねこの月

1/12
前へ
/12ページ
次へ
それは、いつでもそこにあって。 ボクのことを見ていてくれた。 ダンボールに入れられて、きょうだいたちと道に、おいていかれたときも。 げんきがなくなっていくおとうとたちに、なにもしてあげられなかったときも。 なんだかフラフラしてきたころ、きゅうにあたたかい手にだきあげられたときも。 このいえにつれてこられて『かぞく』ってものになったときも。 そして、はじめて『なまえ』というものをつけてもらったときも。
/12ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加