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アリスの首はスケルトンの群れの中にゴロゴロと転がり落ちた。
首のないアリスの胴体は、よたよたと首を拾おうと近づくがスケルトンの群れに阻まれている状態だ。
首がなくては正確にメイスを振ることもできやしない。
ブンブンと不正確にメイスを振り回してスケルトンを威嚇するので精一杯だった。
「あああああああ、踏まれちゃうよぉ」
『サッカーボールやんwwww』
『神配信ありがとうございますwwww』
【みっちゃんさんが1000ルクス課金しました】
【サチコ♡さんが1500ルクス課金しました】
【†闇夜の翼†さんが700ルクス課金しました】
【金木犀さんが1700ルクス課金しました】
【しかさんが900ルクス課金しました】
【モチさんが500ルクス課金しました】
阿鼻叫喚と絶許しているアリスを尻目に、課金が続々と入っていく。
「み、みん、な! ありがとう、ね!」
マーチが読み上げる課金額はかろうじて耳に届いているらしい。
アリスの首はスケルトンの足に蹴られているがしっかりとお礼をしている。
『ここからどうするの~! ありすちゃん』
『頑張れ♪ 頑張れ♪』
『早く首拾えや』
「がんばるよ!」
アリスの胴体はとにかくメイスをふるってスケルトンへの道を切り開く。
スケルトンは、この紫紺の洞窟の中では弱いモンスターである。しかし、骨を的確に砕かないと行動を止めることも難しいモンスターだった。
「とにかく、スケルトンを退かせるよ!」
アリスはとにかく首を回収することを目的に大ぶりにメイスを振るうとスケルトンたちを立ち弾かせて胴体が首を回収できるように道を作る。
「これで首を回収しまーす! みんな! 心配かけてごめんね!」
『やっとかよ』
『ぽろりちゃんがんばってwww』
『スケルトン相手に苦戦してるのウケるwwwww』
胴体が首を回収しようとしたときだ。
胴体の背後から叫び声が聞こえる。
『なんの叫び声?』
『嫌な予感wwwww』
「ごめんなさい! 手伝います!」
叫びながら、アリスの首を蹴り上げた初期設定の女アバターが戻ってきた。
『新人か!?』
『マナーだれか教えてやれよ』
『ウケるwwwwwww』
女アバターは、これまた初期装備のダガーをスケルトン相手に振るってい
る。
肋骨部分を狙っているのはまだいいが、ダガーは肋骨の隙間に入り込んでダメージを与えられていなかった。
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