新人JK配信者が配信を頑張るよ

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「う~ん。そっか~」  アリスは腕を組んで考え込んだ。この世界について改めて教えるとなると、何を教えればいいのだろう。難しい。 「じゃ、まずはこの世界の仕組みについて教えようか」 「よろしくお願いします」 「じゃ、マーチちゃん全世界マップを出してくれる?」  アリスは自身の周りを浮遊しているマーチにお願いをした。マーチの胴体部分の時計が光ってホログラムを映し出す。  ちなみに、マーチは「時計白うさぎ」という。このマスコットもアバターで変更できるが、値段が高いのだ。  マーチのアバターももちろん高かった。  マーチが映し出したのは、この世界を簡易図に落とし込んだマップだ。  「街」が球形に簡略化され「ダンジョン」が円柱に簡略化されている。実際はもっと複雑な構造らしいのだが。まぁ、ここでは関係のない話だ。  そして「街」と「ダンジョン」の間に何本もチューブが走っている。 「いい? この丸いのが今いる「街」で円柱が「ダンジョン」そして間にあるチューブが各レベル階層を結ぶゲートってわけ。これがこの世界の一番簡単な形。まぁ、他にもエリアはあるけどね。今回は省略してるわ」 「街って、名前はなんていうんですか?」 「街は街よ。他に街がないもん。区別するための名前なんてないわ」 「はぁ」 「で、配信者はこの街とダンジョンを行き来しながら生活をしているわけ」 「ダンジョンて、必ず行かないといけないんですか?」 「そんなこともないよ。街の中で、生産系配信している人もいるし、パフォーマーしている人もいる。さっきの屋台のおっちゃんみたいに、屋台を運営していたり宿屋とかお店とかの経営系の配信している人もいるしね」 「すごいですね。みんな配信者なんだ」 「そうだよ。この世界にいるのはみーんな配信者。ま、中には別のことがメインの人もいるけどね。それでも、みんな多かれ少なかれ配信しているんだよ」 「すごいですね」  あずみの発言を聞いてアリスは足を止めた。手を振って、マーチにマップを消してもらう。 「なんか他人事みたいだけど、あずみちゃんも配信者なんだよ? わかってる?」 「うぅ……。でも、私は元の場所に帰りたいだけなんです。配信で人気になりたいわけでも、お金を稼ぎたいわけでもなくて」 「甘いわね」  といってアリスはあずみに指を突きつけた。 「ここでは、まず、配信することなの。配信してお金を稼いで、やっと、やりたいことがやれるってわけ。ただ、帰りたいです。なんて言ってちゃなにもできずに消えちゃうよ」 「でも、私、帰りたいんです。おばあちゃんとの約束があるし。こんな場所で配信者とかしている場合じゃないんです」
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