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2023年に読んだ本
記録とは言ったものの何も書かずじまいでしたので、せめて去年読んだ本の羅列と雑感だけでも書いときます!もう記憶の薄いものもあるけれど!
1.ザリガニの鳴くところ(2020 日本語版)
著 Delia Owens
訳 友廣純
2.猫を抱いて象と泳ぐ(2009)
著 小川洋子
3.地球の果ての温室で(2023 日本語版)
著 キム チョヨプ
訳 カン パンファ
4.星を継ぐもの(2023 改版)
著 James Patrick Hogan
訳 池央耿
5.卵の緒(2007)
著 瀬尾まいこ
6.出会いなおし(2017)
著 森絵都
7.からだの美(2023)
著 小川洋子
8.正欲(2021)
著 朝井リョウ
9.アルジャーノンに花束を(2015 新版)
著 Daniel Keyes
訳 小尾 芙佐
数にしてみるとこんなものだけど、自分としては結構読んだほうだよなとも思うので、年間100冊とか読めるような人はすごい。ただ長い本も多かった気がする。
1.ザリガニの鳴くところ(2020 日本語版)
作者のディーリア・オーエンズは元々動物学者であり、この小説は69歳にして初めて発表したフィクションとのこと。作者の目からは自然や動物がこのように映る瞬間があるのだろうな、と思える情景描写が一つの大きな魅力だと思う。一人の男の死から始まるミステリーだけど、トリック云々はさほど重要じゃなく、主人公カイアが一体どんな人間だったのか、というところに軸が置かれている。これがベストセラーになるのもすごいなと思った。
2.猫を抱いて象と泳ぐ(2009)
既に書いたので省略。
3.地球の果ての温室で(2023 日本語版)
終末を描いたSFが好き。なのでこの作品も好き。植物を使った設定がリアリティあって面白かった。人と人の繋がりに焦点を当てた作品で、暖かい気持ちで読むことができる。
4.星を継ぐもの(2023 改版)
英語での原作は1977年に書かれたSF小説。その頃から想像した2030年代の未来について描かれている。2030年が近づいてきた今、結構この本の言う通りになっている箇所もあれば、進化が行き過ぎていたり遅れていたりするものがあって、今読むからこその面白さもあると思う。なんにせよこの想像力はすごい。主人公を巡るドラマは小さく、解明される過去のロマンを味わう作品。結構読むのに苦労した。
5.卵の緒(2007)
瀬尾まいこさんのデビュー作。初めて読んだ。短編が2編の読みやすい小説。登場人物に少しずつ癖があって、「あれ、この人こんなことするの」と思う部分もある。だからこそ、物語を通して生まれる絆に説得力があるようにも思えるし、人間ってこういうものかなとも思える、気がする。
6.出会いなおし(2017)
森絵都さんは『カラフル』と『みかづき』を読んだことがあるくらいだったので、この本に収録されている『ママ』や『テールライト』のように怖さ(狂気方面の)や悲しさ成分の多い物語は意外だった。表題作の『出会いなおし』も人ってこういう風に崩れていくんだよなという悲しさがある(それでも、という気持ちの良い作品だけど!)。新鮮に読める作品集。
7.からだの美(2023)
小説じゃなくてエッセイ。通勤の時間にちょうど良かった。
外野手の肩、棋士の中指、シロナガスクジラの骨、等々、人や動物の体について小川洋子さんの考えたことが書かれている。
○○は××見たいで面白い、とか○○にはこういう世界が広がっているのかもしれない、みたいな遊び心のあるものの見方が、この本のように、歳を重ねてもできていたいものだな、と思う。
8.正欲(2021)
生きていれば誰でもチラって思いそうな社会というものに対する皮肉めいた意見を、誰にでも説得力のあるところまで考えられるのが朝井リョウさんなのだよなと思う。性欲を題材にしているけれど、「正しさ」「多数派」というものに対しての考察の結果の小説だと感じた。ここまで考えてくれている人がいる、という事実だけでも生きやすくなる人は多いのではないだろうか。
9.アルジャーノンに花束を(2015 新版)
2023年の終わりから年を跨いで正月の間読んでいた。
難しめのSFでもあり、感動のドラマでもある。前書きや後書きから著者・訳者のチャーリィへの思い入れが伝わってくる(本編でも泣いたけど後書きでも泣けた)。はじめ、知能に障害のあるチャーリィのたどたどしい文章を苦労して読む必要があるが、読み終わる時にはその文章をどれだけ愛おしく感じたことか!
終わり(2024年も沢山読めるといいな!)
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