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11 初LIMEと突然のイケボ
帰宅したあと、奈津たちとのグループLIMEではめっちゃ呆れられた。
『彼女がおるかどうか確かめんかったん?』
『二人きりになったのに?』
『LIMEしてもいいって許可もらっただけ? 告白もせず?』
そうは言っても私には随分と勇気のいることだったのだ。
『今告白しても山岸くんは私のことなんとも思っとらんだろうし。もっと仲良くなってから、と思ったんだよう』
『そんなにのんびりしとったら誰かに取られちゃうよ~』
『最近怖いイメージが薄れてきて、かっこいいって言われ始めとるもんね。ライバルが出てこんか注意しとかんと』
『ええっ、ホント?』
『ホントホント。有紗、この夏が勝負よ!』
確かに、山岸くんはイケメンだしあの噂も誤解だってわかったし。これからモテていくのは目に見えてる。
『わかった。頑張る』
奈津たちとのLIMEが終わったあと、私はスマホを握りしめて悩んでいた。山岸くんに初LIMEを送ろうとしているのだ。
(『さっきは送ってくれてありがとう』、これだけをサラッと……)
どのスタンプを送るかもさんざん悩み、ようやく送信した。
意外にもすぐに既読になり、「どういたしまして」とひとこと、それとスタンプが送られてきた。
(嬉しい! 山岸くんとの初LIME!)
思わず画面をスクショしてしまった。これから、もっともっと会話が増えていくといいな。
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