35謝罪と文化祭準備

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 その後、須藤さんがクラスの人と仲良く話している姿を見かけた。 (良かった。早めに謝って正解だったね)  失敗に気がついたなら立ち止まればいい。そして正しい道へ戻ればいいんだ。まだ若い私たちは何度だってやり直せる。  いつの間にか10月も終わりに近づいていた。来週は文化祭が行われる。  体育祭の盛り上がりに比べて文化祭は地味らしい。三年生は受験があるので準備に参加しないため、全校的な盛り上がりに欠けるからかもしれない。  そんな中、テニス部一年男子は毎年体育館ステージでダンスを披露することになっているとかで、奏多もその練習を嫌々ながらもやっていた。 「去年は乃木坂をやったらしいけど、今年はK-POPアイドルやることになってさ。めちゃ難しい」  奏多は振り付けを覚えるのに苦戦しているみたい。 「坂口が踊れるから部活終わりに教えてもらっとるんやけど、もう当日が憂鬱や」 「当日はうちわ作って応援するからね! 頑張って」  奏多と坂口くん、二人分のうちわ(アイドル応援用みたいなやつ)を持って観に行き、場を盛り上げるつもりなのだ。もちろん奈津たちやクラスのみんなも誘う。出し物をやった時に観客が少なくて反応も無いのって一番辛いだろうから。  文化祭というより『文化部発表会』的な位置付けのため、クラス単位での催し物などはない。つまり帰宅部の私は暇ってこと。だから当日は、奏多と一緒にあちこち回るつもり。  家庭クラブがやってる喫茶コーナーに行こう。茶道部のお茶会もいいな。あ、もちろん華道部で美佳がやってる展示も観に行かなきゃ。 (体育祭ほどじゃないけど文化祭もワクワクするな。奏多とずっと一緒っていうのが一番の楽しみ)
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