プロローグ

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僕は人間だから、女神であるキミのことも、その尺度で測るしかない。 それに則った時、僕には何も無かった。収入、学歴、若さ、才能、社会に求められる物を、何も持っていなかった。 キミは、そんな僕にさえ、崇拝する事を許してくれた。誰一人として取り残さない、不可能だなんて言われてるそれを、クリアしてしまった。 キミが求めてきたのは僕の有り余る時間と、持て余した体、そして世間からは忌避されるべき欲望。 こんな事は、普通の人間にできっこない。だからやっぱりキミは、女神なんだと思う。 そんな、女神の裸が画面越しではなく、同じベッドの上に差し出される。僕なんかがキミと寝る事を、世界中から求められている。 キミの方から、僕と寝たいと言ってくれた。 〈寝れるアイドル〉なんて下賎な肩書きなんて笑い飛ばすキミに相応しいのは、やっぱり〈ポルノクィーン〉だ。
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