ライブ配信

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電気を消した真っ暗な部屋。明るいのはパソコンのモニタ画面だけ。 配信が開始して、みぃくんの姿が映る。 ミルキーゴールドの髪に、ヘッドセットを着けて、上半身しか見えない体は裸。真っ白な肌と細い体。背景は青いカーテンで、そこは恐らくどこかのホテル。 『こんばんはー、みぃくんです』 きちんと画面を見つめて挨拶をする。男子にしては高めのハスキーな声。ライトブラウンのカラーコンタクトを入れて、左右均等に開いた二重。自己肯定感が高くて、育ちも良いのが分かる。 裸の体と真面目な姿勢がちぐはぐだけど、それはキミ自身も分かっているはず。 『みんな見えてる? 聞こえてる?』 shortgun410:来た! g062705:こんばんは! i_love_cock:こんばんは〜 20inch:全裸待機 ossan634:みーくん今日も可愛い︎(^_^) 画面下にはたくさんのチャットが流れていく。 僕が読めるのは日本語だけだ。それも2秒と経たずに消えていく。 『おー、こんな時間なのにたくさん来てくれてる。ありがとねぇ』 みぃくんがテーブルに肘を突き、画面に少し顔を近付ける。どれだけ画質の悪いカメラ越しであっても、美しさは本物だ。 『今ね、日本では深夜の2時』 日本語でそう言った後、英語と、中国語で何か言った。恐らく同じ内容を、海外ユーザーにも伝えているのだろう。 BlueHubの〈クィーン〉ともなれば、ファン層は日本に留まらない。だからと言って、ユーザーの誰もがマルチリンガルであるとは限らないが。 サイト名が、海外では卑猥さや同性愛の意味を持つ「Blue」と、夫を表すhusbandの略語である「Hub」を組み合わせたものだという事も、僕はここに来るまで知らなかった。
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