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ゲイは、異常だ。見ていて不快だから、子孫を残せないから、生物学的に間違っているから。
差別されても仕方ない。差別されてもいい。差別されるべき存在だ。
そこでなら、僕は体ひとつでも、差別する側の人間になれる。他人を見下す側になれる。
男を抱く男も、男に抱かれる男も、どっちも、僕より下だ。
他人より優れていると思われたい、評価されたい、注目されたい、見てほしいなんてのも、誰もが持っている欲望だ。自己顕示欲というらしい。
社会性を失えば生きていけないのがその証拠で、誰からも評価されなくなった僕は、半分死にかけていた。
けれど、それを立って主張するのはダサい。見てほしいとアピールするのはイタい。
だから、そんな事をしている連中なら見下していいと思った。
金のためか、顕示欲のためかは知らない。とにかくそれを得るために、女よりも絶対に需要のない体を晒す男がいる。
僕はそんな事をする必要がないほど、満たされていると錯覚できた。
“本来の目的”とは違う理由で、ポルノを漁るようになった。
トップページには、人気のビデオや人気ユーザーランキングが表示される。
できるだけ、目立ちたがり屋の方が良かった。
そんな事をしているから、標的にされても仕方がない。悪いのは向こうで、叩きたくなるようなビデオを出した自己責任だ。
それを承知の上で活動しているだろうと、僕自身を正当化する事ができる気がした。
ビデオのページにコメントを書き込んだり、ライブ配信中にチャットを送信したりして叩くほどの度胸は無かった。ただ、心の中で見下すだけで良かった。
そうする中で、ごくごくまれに、女の子みたいな男がいるのに気付いた。
もちろん声は男だし、モノもきちんとついていた。
ただ、ほとんどの男がそうであるような、毛むくじゃらな肌とは違った。眩しいくらい真っ白な肌と華奢な体で、小さいソレはおまけみたいに見えた。
ランキングではなく、その時に見ていたビデオの関連から偶然見つけたのが、みぃくんだった。
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