Pale Blue

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どこを どう どこで 間違ったのか。 いや、それは最初からだったのか...。 ずっと、憧れていた。 初めて教室であなたを見てから 広い教室の端の席で、静かに講義を聴いていただけなのに いつも直ぐに見つけられた。 教授にも一目置く置かれ、 多くの学生(特に異性)の羨望の中にいて、私もその中の一人に過ぎないと思っていたのに。 思いがけず、あなたは私を見つけてくれた、 のに。 前を行くあなたに追いつきたくて、追いつきたくて、追いつきたくて。 必死に走った。 転びそうになっても、休む事もできず、少しでも進んでいかなければ、見失ってしまうと。 あなたは真っ直ぐに、私を見つめてくれていたのに。 私は、進むことを止められなかった。 気づいたら、追いかけていると思っていた先にあなたはいなくて、 いつの間にか、私はあなたの横を歩いていた、 でも。 手を伸ばしても、届かなくて。 私は私の道を歩いていた。 あなたの、その大きな手にふれたかったのに。 ふれられる時を見つけられなかったのは、私。 気づかず、通り過ぎてしまったのは、私。 あなたは、立ち止まって待っていてくれたのに。 fin
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