無音の城

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無音の城

あなたが去って 幾年月か 剥がれたペンキの山 隠す手のひらに 埃色が美しい 沸騰するワード 拾う舌先 懐かしいコード 哀しみじゃなく 優しさをあげたい 最後だから ほつれた髪を掻き上げる櫛の 鋭さで正気保つ裾の汚れた 下駄を捨てた彼女の足の親指が 内側にまるまったシーツに残す皺を あなたじゃない誰かの記憶に 焼きつけて走る萎れた花として 実を結ぶことを拒絶した蜘蛛の雌 最後だから d1865ac1-174c-4c0b-ac42-b8ca008aba2d
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