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raining
水たまりがまばゆい
まるでそこだけ故郷
昼下がりには枯れちまう
瞳に焼く数秒を
許されずに
雑踏に突っ込む人生なら
失くした明日に
どのルートで
会えるかなんて
もしもの話はしないで
たどり着くのはいつも海
全てさらった
誰彼の軌跡を
まるで粉々に
波の花は夢を孕んで
柔らかに散る
もう二度とその人の笑顔に
触れたり出来ない貴方も彼女も
私も
神様はいないだろ
呟いた真っ黒なゴミ袋蹴飛ばし
埋まったつま先に
割れた思い出の写真立て
怪我したかった
泣かないでなんて言えない
君と分けた食パンの味がいつまでも
甘いよ
神様は、いないだろ
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