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君は海の底
ほら朝焼けの
あそこんとこが狼の
流れる毛並みだろ
ササクレだらけ指先で
渇いた宙に線ひいた
電波塔でお喋り
寝ぼけたカラスがコーラスBGM
指揮者のいない
枯れすすき深い野原がステージ
遠くない未来にすら
何も残せず身軽な私は
少女の頃に戦争を聴く
いつも立ち止まる
古めかしいシェルター
木の根が守る誰かの絶望
命の切望
燃え上がる焦燥は幻影
小さな胸を焼いてしまう
あなたの肖像
シワシワの痩せた首筋にキスしたいんだよ
風が持ってく
名もなき心だってさ
持て余す熱で沸騰したワード
裸足で踏み躪るここにも
滲みた赤黒い意志は脈打つ今でも
こんな夥しいってのに
大人しくするのは
苦手だったから
衛星とウィンクし合う
どうすれば良かったですか
祈りに力はないこと
貫いた正義は灰になり海の底はこんなにも面影で
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