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雪乃の決意
「何か手立てがあるのか!?」
形勢は逆転し今度は倭が雪乃に迫る。
「解決方法は今から探すわ」
「今から探すって……」
「私、命様にお約束したのよ。『これからは私たちがずっとお側でお守りいたします!』ってね」
雪乃の言葉に倭は当惑している。
「少なくとも私に相談してたら『倭に一人で文献を漁らせる』なんて効率の悪いことはさせなかったわ!」
雪乃はそう言って、キッと倭を睨みつけた。
「命様は私たちにとっても大切なお方。私達守護はありとあらゆる手段を講じて命様をお救いしなければならないのよ!」
決意のこもった声で宣言すると、雪乃はテキパキと指示を飛ばした。
「今から作戦会議を開くわ。右京、東雲家のお二人を連れてきて。高良は定範様を呼んできて。菜々花は御典医の杉田先生を探してきて。今すぐに!!」
雪乃の剣幕に圧倒されて三人が大広間を飛び出していく。
雪乃はつかつかと命様に歩み寄るとその足元に膝をついた。
「守護真田雪乃。参謀役の名にかけて最善を尽くし、必ずや命様をお救いする所存にございます!!」
命様は穏やかな声で雪乃に語りかけた。
「参謀殿に一つ私からお願いしても?」
「何なりと!」
「どうか私のことは『千夜』と名前で呼んでは貰えませぬか?」
「心得ましてございます、千夜姫様」
雪乃は一層深く頭を下げた。
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