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「そう。鬼が出たら、鬼を斬らないわけにはいかない。だから命様に邪気を溜めさせないためには、鬼を発生させないようにするしかない」
「そんなことできるのか?」
断定的な雪乃の言葉に、理人は顔をしかめた。
「今まで二回討伐に出たけど、鬼裂を探知して駆け付けたんじゃ遅かっただろ? 鬼を発生させないってことは鬼裂が開く前に現場に行かなくちゃならないってことじゃないか?」
「そう、だからやっぱり鬼裂を予知するシステムが必要なのよ」
「鬼裂を予知するだって!?」
「現代には地震予知システムとか熱中症アラートとかってあるでしょ? あらかじめ予兆を探知できるようにしておけば天災だって予測できる時代なのよ。鬼裂が生じるメカニズムを解明できさえすれば、可能性はゼロではないわ!」
「でも鬼裂が生じるメカニズムってどうやったら分かるんっすかねぇ?」
右京のもっともな質問に、雪乃は少し考えこんだ。
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