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「あ、あぁっ」
程よく立ち上がっていた粒を尖らせた舌でつつき、舐め、唇できゅうっと挟んで刺激を与え、可愛がる。
「煌っ。そこばかりをそんなにっ……うぁっ」
飴をねぶるように舌の上で丹念に転がしてやれば、煌の髪に指を差し込んで身をよじっていた相手の声が、さらに蕩ける。
奏人の声は甘いテノールなので、煌のためだけの特別なメロディーに聴こえる。
これまでの行為では、こんなに優しく可愛がることはしていなかった。申し訳ないことをした。
これほど良い反応が出る身体だと知らなかった。その無知も煌の罪だ。
「ここ、こうすると気持ちいいだろ?」
胸を弄ってやっただけで、これだ。朝までに、どれだけ可愛い顔が見られるだろう。
煌の口元に、満足げな悪い笑みが薄く広がる。
「奏人? どう? 教えて」
「はっ……んっ……気持ち、いい」
「ん、良い声。俺はさ、辱める目的じゃない、快感だけを拾う愛撫ってやつを、あんたに刻みたいんだ」
これからは、煌が奉仕する側だ。それでいい。それこそを望む。
愛しいこの人は決して傷つけない。ただただ、大切に大切に抱きしめる。
恋という、何にも代えがたい煌めく宝物を二人で育て、奏でていくのだ。
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