【復讐をやめる決意】

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「はい、俺からのプレゼント」 それは、見たことがない変身ベルトだった。 宝物でも手渡されたように、光輝が目を輝かせている。 「俺のデビューは戦隊ものだったんだ。その時に使ってた由緒あるベルトを、子供用に直した」 「そんな大事なもの、いいんですか?」 「光輝が持ってるほうがベルトも喜ぶからな」 そう言って光輝の腰に巻くと、二人が並んで変身ポーズを決めた。 「なんか、本当の親子みたいなんだけど」 琴葉が少し呆れたように笑い、私もつい微笑んでしまう。 松永家で行った誕生日パーティーは、慎ましいながらも和気藹々としていて楽しい。 そう、本当の家族のようで…。 「今度はブルーやグリーンにも会わせてやろう」 「ホントっ!?」 「あぁ、その代わりママの言うことをよく聞くんだぞ?」 「分かった、約束する!」 すっかり松永に懐いている光輝はでも、私に向かってこう言った。 「このベルト、パパに見せたいな」と。 「そうね…お墓参りに行こうか」 一瞬、胸を締め付けられながらも、息子の頭を撫でてやる。 「それ、俺も行っていいかな?」 「えっ…?」 松永の真意が分からずに返す言葉に詰まっていたが「いいよ、皆んなで行こう!」と、はしゃぐ光輝に戸惑いが流れていく。 「お墓参りにデートとかって、逆に新しいけど」 どうやら琴葉も賛成のようで、私たちの間に一つ共通の目的が生まれた。
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