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1.おねえちゃんの濡れた指
常夜灯のオレンジ色が部屋の空気をしっとりと濡らしている。ベッドの中でおねえちゃんがいった。
「セックスには相性があるの。それをね、きーちゃんは、ここで……」
鼻先がくっつかんばかりのおねえちゃん。そのひんやりした手が太ももからネグリジェの下にゆっくり滑りこんできて、ショーツの上から「ここ」をおおった。びっくりして、両脚をキュッと閉じる。
「うっ……」
指の食い込みに声で応えてしまった。あわてて両手で口元を覆う。おねえちゃんが、ふふ、と笑って柔らかいまなざしを注いでくれる。わたしは薄目を開けたまま、おねえちゃんの優しさの真偽を確認している。見れば見るほど優し気なまなざしだった。胸に抱いた赤ん坊を見下ろす母親のよう。よかった。おねえちゃんの優しさは「真」だ。冷たくて細い指がまだ敏感なところに置かれているが、いまのところ、昨晩のように、その指のいたずらにいじめられることはなさそうだ。わたしの細長い溝がおねえちゃんの指の長さと太さにピッタリ合っているのは、おねえちゃんの優しさとわたしの甘えが呼応しているから。脚の付け根からゆっくり力を抜いてゆく。
「そうよ……。ここでさがすのよ」
「セックスの相性が合う人?」
「そう。きーちゃんをドロドロに溶かしてくれる人をね、ここで」
ひんやりした指でチョン、チョン、チョンと3回、軽くそこを押されると、下腹部がやはり3回ピッ、ピッ、ピッと反応した。息の小さなかたまりがやはり3回だけ、鼻腔を伝い外へ走り抜けていった。
おねえちゃんの満足げな微笑み。
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