じみ子と天パ

1/1
4人が本棚に入れています
本棚に追加
/13ページ

じみ子と天パ

 小学生の時につけられたあだ名『じみ子』。  まさかこのあだ名が高校生になっても付きまとってくるなんて思ってもいなかった。  確かにね、高校生にもなって毎日両耳の下から三つ編みを揺らしてメガネをかけて、規則正しく学校の制服を着こなしている私は真面目そのもの、地味と言われても仕方ないかもしれない。  でもね、言い訳をさせてもらうと、私の髪は天然パーマとしか言いようのない髪質。ふわっとする程度、ゆるふわ〜なら下ろしてても可愛いかもしれない。  でもこの髪は強情で、昔で言うところのソバージュヘア。細かくチリチリくるくる、ショートカットなんて夢のまた夢。  ショートにしたいならウィッグが手っ取り早いよなんて、昔からお世話になってる美容師さんにアドバイス頂くような強情な天然パーマ!  これなら、ある程度の長さに伸ばして天パを三つ編みで押さえつけるのが一番見られて、学校でもオッケーな髪型だと思うんだよね。  ストパーがある?高校入学前に天然パーマ申請書なるものを出しちゃったから、その道は高校にいる限りないのだよ。  一応中学から高校の間の自由な春休みに、こっそり自分でストレートヘアにできるような『縮毛矯正』って書いてある薬剤買ってやってみたんだけど、次の日には、はい、お疲れ様でした、ストレートヘアはどこかへ行ってしまいましたな目覚めだったわけよ。  幼なじみの葵ちゃんを家に呼んで「ストレートヘアだ!」って二人で大騒ぎして画像沢山撮っておいて良かった。良い思い出。(表紙はこの時の束の間のストレートヘアの時に撮ったのだよ!)  次ストレートになれるとしたら高校卒業して美容院でストレートパーマかけてもらうって選択かな。それまでは私のサラサラ髪の毛さようなら。  う〜む、高校生って、養ってもらってる身ってまだ不自由な面もあるもんだ。  高校生になったらもっと自由かと思ってたらそうでもない。
/13ページ

最初のコメントを投稿しよう!