雪の故郷

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白い煙が 父親を送りだしている 無機質な作りの建物を出て 煙突から 出る煙を見て ・・・お父さん 御免なさい・・・ 涙を堪え 煙を見つめていた 隆が真奈美の後を追うように 扉から出て来ると 横に立ち 体を抱きしめて呉れ 胸に顔を埋め 嗚咽を上げてしまった 静かな嗚咽が 段々と大きく成り 隆の胸に縋りながら 慟哭へと・・・ 息が苦しく成り 呼吸を忘れた様に 何時の間にか 意識を 失っていた 白い天井が 視界に入って 辺りを見渡した  隆と母の心配そうな 視線に合い 起き上がろうとするのを  母が押さえ  「横に成って居なさい 」 優しく声を掛けてきた 「お母さん・・・?」 「貴方 過呼吸で 気を失ったの 隆さんが慌てて  救急車 呼んでね 今夜一晩は 此処で安静にしてね」 そう言うと 母は真奈美の 上掛けをそっとかけ 横に座った 「お腹の 赤ちゃんの為にも しっかりね」 母の優しい目に 「???? お腹の赤ちゃん???」 「そうよ 貴方のお腹に いるの 何時生理だった?」 「私・・・ 少し不順だったから 遅れているのかと 思っていたの」 「3か月よ 大事にしてね お父さんに・・・・」 母が涙を流して 暫く嗚咽を続け 顔を上げ 「今夜は 隆さんと帰るから 明日ね ゆっくりするのよ」 隆と母は 病室を出て行った お腹に手を置き 新しい命を確かめる様に手の平を動かした ・・・お父さんに 抱いて貰いたかったな・・・・ 病室の天井を見つめ 真奈美の目から涙が こぼれていた ・・・お父さん・・この子を 守って・・・・・ 新しい 命の宿った お腹に手を当て ・・・・・ お ね が い ・・・・・ 心の中で 父に語り掛けていた
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