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翌日には僕は平熱になって、喉の辛さも少し和らいだので、マスクをつけて登校した。
「主任には頭上がらないなー…お礼しないと…」
ママはそう言って出社した。
やれやれ…
やっと平穏な日常が戻ってきたなと思った頃に、ママの声がかすれ始めた。
「ママ、大丈夫?」
「ダメ…唾飲むのもつらい…体だるい」
僕とコタは顔を見合わせた。
『あぁ、それはギーナですね』
僕らはそう言って和室に布団を敷いて、ママと僕のクマのぬいぐるみを寝かせた。
そして、ドクターコタが「どれどれ…ふむふむ…」の聴診をして「おくすりです」と、ヨーグルトのラムネを処方した。
僕はママのためにうどんを作ってあげた。
「あー…今日が土曜休みでよかった…明日もゆっくり休める…」
ママがカサカサした声で言った。
「明後日までに治さないとだね」と、僕が苦笑いを浮かべてそう言うと、ママは弱々しく、それでいて嬉しそうに笑った。
「二人のおくすりが効くはずだからすぐ治るよ…二人の笑顔がママの一番のおくすりだから」
僕とコタは顔を見合わせて、ニンマリ笑って見せた。
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