一番のおくすりは

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 結局、コタが本調子になったのは3日後のことだった。  ママはその間、仕事を休んで家にいた。  "家に帰るとママがいる"それだけのことだけれど、安心感があった。「ただいま」「おかえり」をした後には、相変わらず「靴そろえなさい」「靴下そのへんで脱がない」「ランドセル!」と、ガミガミ言われるんだけど、それでも誰もいないシンと静まりかえった家に帰るよりはよっぽど良かった。    コタが保育園に行けるようになって、ママも仕事に行き始めて2日目。  僕は喉に違和感を覚えた。  体がだるく、つばを飲み込むのも痛い。  友達とのおしゃべりも、声がかすれて思うように声が出ない。  「お前、もしかして声変り?じゃあ、アソコの毛ももう生えてきた?」  親友のカイトが楽しげにニヤニヤしながら耳打ちしてくる。  「ばーか、まだだよ」  朝までそんな馬鹿なやり取りができたのに、三時間目の算数の授業中、限界を迎えた。  体が熱くなり、朦朧としてくる。  僕は少しでも冷たい所を求めて机の脚を握り、頬を天板にくっつけた姿勢で意識を手放した。  
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