2章

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「では応接室に」  将隆はそう七瀬に言うとやれやれといった表情を見せ田宮に手を振り応接へと消えていった。一臣と田宮はそれを見送ると何もなかったかの様に仕事に戻る。 ――――一体、何故彼氏がいるのに俺にキスなんか。 ――――考えれば考える程、謎過ぎる。  等と新たなる疑問に頭を悩ませながら仕事に励む一臣。一方、応接室では将隆と七瀬は大いに揉めていた。 「冷静に話を聞いて欲しいんだけど」 「いったい、何の話を聞けばいいんですかぁ」  そう言いながら唇を尖らす七瀬。 「昨日の件なんだけど彼女は本当に幼馴染なんだって」 「あーそうですかぁ、幼馴染とねぇ。大事な時に使うカフェでぇ。へえー」 ――――あーあっ、やっぱりこじらせてんな。 ――――やっぱり、本当の事を七瀬にも伝えるべきか  あれこれ悩む将隆。悩み切ったところで将隆は、七瀬の頬に両手を添え正面を無理やりむかせて、向き合い話し掛ける。 「聞いて欲しい話がある」 「な、な、何よぉ」  顔を赤らます七瀬。それを見て将隆が頬に添えた手を元に戻す。
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