2章

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 等と思いを巡らせ、僕は会社を出ると一臣さんが待つプランタンに車を向け走らす。程無くしてプランタンに辿り着くと駐車場に車を停め店に向かい中に入る。一臣さんは一番奥の席に座っていて僕は急ぎそこに向かっていた。 ――――頑張って謝らなきゃ。 ――――本当に一臣さんには悪いことしたな。でも……。 「お待たせしましたぁ」 「いや、今来たばかりですよ。それよりなに飲みます」 「えっ、じゃぁ、同じのでぇ」 「優子さんすみません。キリマンジャロをもう一つ下さい」  慣れた感じで注文する一臣。それを見て七瀬は一臣もきっともてるだろうなと感じていた。 「それで話っていうのは昨日の事ですよね」  きわめて平静を取り繕う一臣。 「うんっ、本当にごめんなさいぃ。なぜかついっ」  七瀬はそう言いながら手のひらを合わせた。 「つい、――ですか」  七瀬のついという理由に呆気にとられた一臣は余りの理由に拍子抜けしていた。 「はぁい、ついですぅ」  真顔で答える七瀬。
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