2章

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一方、時同じくして将隆はメネシスで麗奈と会っていた。 「それで、大変な事ってどうしたんだい」  優しい笑みを見せ訊ねる将隆。 「それが、――その、――動画を取られていたみたいで、それで脅されたんだけど」  麗奈はそう言うと悔し気な表情を見せめを伏せる。それに半ば呆れた感じで答える。 「それで、またって事」 「――うん、――従わないと動画をばらまくって……」  涙を堪えて声を震わせ答える麗奈。それを見た将隆の怒りは頂点に達していた。 「全くもって下種な男だな。銀行の解雇だけで済ませてやったのにまだそんなことを。もう容赦は要らないみたいだな。僕が本気をだせばどうなるか思い知らせないといけないようだ」 「でも、本当に大丈夫なの」  麗奈は鼻をすすりながら訊ねる。 「大丈夫だよ。奴には余罪がたくさんあるんだ。それをネタに警察に処理してもらうよ。警察の中には神室グループのシンパが居るから彼らの力を借りるよ」  将隆はそう言うと何処かに電話を掛け、麗奈を脅している田口という下種な男を逮捕するように手配をする。それを唖然と見ている麗奈。 「本当に凄いんだね。将にいの家の会社神室エレクトロニクスは」  麗奈の言う通り、将隆の実家神室エレクトロニクスは東証一部に上場する大企業で、北川電子を始めとして数多の企業を傘下に収めているため他方に顔が効いていた。四十六銀行も例外でなく田口の解雇や近衛一臣の出向も全て将隆が裏で手を回していた。余談だが、将隆は神室エレクトロニクスの時期社長で現在は専務を務めながら北川電子に出向していた。 「たいしたことないさ。ちょっと顔が効くだけだよ」
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