2章

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 然も当然の様に話す将隆。 「それが凄いんじゃない」 「そうかな」 「そうだよ。それじゃ田口の件はもう大丈夫だよね」  念を押す麗奈。 「大丈夫だよ。1時間もしないうちに逮捕されるから」  将隆が麗奈を見て笑みを見せて答える。 「本当に、――それならよかった」  安堵の笑みを浮かべる麗奈。 「というか、近衛さんとやり直す方法は見つかったかな」 「考えたんだけど見つからなかった。と、いうか、より戻していいのかな」  麗奈はそう話を離すと視線を下ろす。 「麗奈は悪くないんだから気にしなくていいんだよ」 「とはいっても一臣を裏切った訳だし」 「裏切ってはないだろ。意識失わされて襲われた訳だしさ」 「それはそうだけど、結果的には……」  麗奈はそう言うと瞳を潤ます。 「麗奈のいう事も解るけどさ、自分から進んでした訳じゃないしやっぱり違うと思う」  慰める将隆。声を殺してむせび泣く麗奈。
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