2章

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「あのさ、僕が思うに近衛さんに本当の事を言ったらどうかな。近衛さんなら受け止めてくれると思うよ」 「解ってる。けど、それだけは絶対駄目なの」 ――――これじゃ、埒明かないな。 ――――どうやって、説得したら良いのやら……。 「麗奈も近衛さんと出来ればより戻したいんだよね」  優しい口調で問う将隆。 「うん。出来ればもどしたい」 「じゃあ、近衛さんてさ、麗奈に起きた本当の事聞いたら別れちゃう人かな」  右手で頬杖をしながら麗奈に尋ねる将隆。 「ううん、そんな事はしないと思う」  両手を前に出し左右に振り否定する麗奈。 「だよね。それなら本当の事話したら良くない。と、言うかそれしか無いと思う」 「そう言われても……」  麗奈はそう言うと表情を曇らす。 「じゃあ、近衛さんが別の女性と付き合ってもいいの」 「――それは絶対にいや」 「なら、言わなきゃ。絶対後で後悔するよ。まだそんなに好きなら尚の事」  将隆の言葉を受け暫し沈黙の後言葉を返す麗奈。
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