2章

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 その一臣に極めて冷静に丁寧な口調で答える将隆。 「課長(・・)さん、それは解りました。が、(・・)の出向は何かしら関係してますよね。違いますか」  尚も怒りが収まらない一臣。 ――――まずいな。まだ怒っているからまともに話せるかどうか……。  一臣の態度を見て焦る将隆と麗奈。 ――――どうしよう。こうなると一臣話通じないから……。  2人は思考を巡らせていたがいい対策は見つからないでいた 「それは……」  意を決して将隆がそこまで言うと麗奈の方を見て話すのを止める。というのも麗奈が言わないでと言わんばかりにあたまを横に振っていたからである。 「課長さん、話が解るように続き言ってくださいよ」  言葉を止めた将隆に話すよう詰め寄る一臣。それを見かねて麗奈が答える。 「関係はあるの。私が婚約破棄したからそれで……」 「はあ、それだけで(・・)の出向が決まったというのか。ふざけんな。お前、本当に最低だな」 そこまで言うと、一臣は車に戻り怒り心頭のまま、その場を後にしていた。  2人は呆然と立ち尽くしそれを見送っていた。暫くして将隆が麗奈に話し掛ける。 「近衛さん。取り付く島なかったね」  将隆はそう言いながら困惑の表情を浮かべる。
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