2章

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この後特にやり取りする事も無く麗奈はタクシーを拾うとその場から去って行った。残された将隆は1人佇み思考を巡らせていた。 ――――麗奈と一臣さんの為にも上手く話ししないと…… ――――それには、絶対一臣さんとちゃんと話さないと……。 ――――責任重大だな――やるしかない。  僕は覚悟を決め帰宅すると明日に向け準備を進めた後就寝していた。  翌朝、僕は覚悟を決め会社に向け車を走らせていた。程無くして会社に着いた僕は、車を駐車場に止めると会社の中に入り、3課を目指し歩みを進めていた。緊張感から少し胃が痛む。  3課に入ると挨拶を交わす。 「おはようございます」 「おはようございます」 「おはようございます」 「おはようございますぅ」 挨拶が返ってはきたものの明らかに一臣さんがイラついているのは明白で、七瀬が僕に心配そうな視線を送っていた。僕は頷きそれに返す。すると、田宮係長が咳ばらいをしながら応接室へ行けとばかりに目配せをし、僕はそれに田宮係長を見て頷く。そして、一臣さんに話し掛ける。 「近衛さん、ちょっと、いいかな。話があるんだが」 「まあ、いいですよ。今日は納得できる話聞かせてくれるんですよね」  一臣が苛つきながら将隆に念を押す。 「ああ、納得できる話が出来ると思う」  と、真顔で穏やかな口調で答える将隆。 
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