2章

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「はい解りました」  一臣はそう言いながら鋭い視線を将隆に送る。 「では、応接室に」  将隆に促されるのに従い後に続く一臣。中に入ると二人は向き合いソファーに腰を下ろす。 「んで、話って何ですかね」  そう言いながら眉間に皺を寄せる一臣。 「その話だが、覚悟を忌めて聞いて欲しい。中には聞きたくない話もあるからね」 「んなご託は言い良いから話を聞かせろよ」 将隆は一臣の勢いに気負わされながらも「ふう」と一息ついて気持ちを落ち着かせてきわめて冷静に話し始める。 「近衛さんと同僚の田口竜也は知ってるよね」 「知ってるがそれがどうした」 「その田口竜也に麗奈が出張先で睡眠導入剤を盛られ犯されてその上記録されて脅されていたんだよ」  将隆の真剣な表情を見て、一臣は事実である事を悟り思いを巡らす。 ――――確かに麗奈と竜也が一緒の出張はあった。 ――――という事は事実か。――麗奈が竜也に……。 ――――しかし、何故この男が……。
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