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――――きっと断わられる。
私はそんな事を考え半ば諦めていた。
「俺もやり直したいと思っている。けど、今すぐに元通りって訳には行かないと思う。第一理由はどうあれ婚約破棄された訳だし、その上田口の件もある。――だから、もう一度最初からやり直すのはどうかな」
俺はそう言うしかできなかった。やり直したいと思う反面何処か麗奈を許せないというか受け入れられない自分がいた。器が小さい男だと自分でも思ったが、どうしても田口に抱かれた事、そしてそれを隠し婚約を破棄された事に蟠りを感じる自分がいた。
私は一臣の提案に驚いていた。断られるのは当然覚悟していたし最もだとも思っていた。――だから、まさか最初からやり直そうという言葉を掛けて貰えるとは思ってもいなかったから、素直に嬉しいしチャンスをくれた一臣に感謝していた。
「ありがとう。何もなかった様にやり直すのは無理なのは私も解ってた事だから、チャンスをくれた事に感謝です」
そう言いながら麗奈は頬を濡らす。
「それで良いのか」
「うん、一臣が良ければもう一度最初からやり直すチャンスを下さい」
そう言いながら頭を下げる麗奈。
「麗奈がそう言うなら、俺ももう一度やり直したい」
「一臣、本当にありがとう」
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