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七瀬はあれこれと説明を始めた。要約すると3課は社内監査に当たる課で総務課の他の課が作成した書類をチェックするのが仕事らしかった。要領を得た一臣はさっそく仕事にとりかかっていた。時折わからない事は七瀬に聞き作業を進めていると、身長は175センチくらいだろうか。黒髪に近い茶髪のウルフヘアーで顔は面長気味に卵型。目は二重瞼のアーモンドアイ型をした男性が一臣に話し掛ける。
「おお、早速やってるね」
「あっ、課長ぉ。おはようございますぅ」
「おはようございます」
「ああ、おはよう」
挨拶の後暫し見合う七瀬と課長。一拍置いて話を続ける。
「流石は近衛一臣さんだ」
課長の言葉を受け、疑問に思った一臣は怪訝そうな表情で伺う。
「あれ、どこかでご一緒しましたか。すみません。気付かなくて」
――――やっぱ、忘れてるか。まあ、仕方ないか。10年以上前の話だし……。
「あ、いや。四十六銀行さんから優秀な社員とお聞きしていたもので。こちらこそ誤解させたみたいですいません」
「いえいえ、そうだったんですか」
納得した様子の一臣。
――――上手く誤魔化せたようだな……。
「あっ申し遅れました。僕は神室将隆です。よろしくお願いします」
「こちらこそお願いします」
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