3章

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 そう言い終えると同時に麗奈の泣きじゃくる姿を見て、俺は改めて自分は器の小さい男なんだと再確認していた。俺はこの後、麗奈が落ち着いた所を見計らい麗奈と次に逢う約束をしてメネシスを出て解散し帰路についていた。 ――――よりは戻ったけど……。 ――――なんなんだろう。この胸の(わだかま)りは……。   俺はあれ程やり直したいと思っていたのに、相反する感情を持つ事に自分に戸惑いを感じていた。どっちが本当の自分なんだろうか。果たしてうまくやり直せるだろうか。今から不安に思う自分がいた。いずれにせよ。器の小さい男だというのは間違いないだろう。この日は如何に自分が小さい男なのか。思い知らされた日だったように思う。 翌朝。一臣は何時もの様に会社に行き3課へ向かう。 「おはようございます」 「おはよう」 「おはようございますぅ」  一臣の挨拶に係長と七瀬が答える。七瀬が心配そうに一臣の顔色を窺う。その中で一臣は席に着くと仕事を始める。一臣が仕事を始めて程無くしての事だった七瀬が一臣に話し掛ける。 「あのぉ、昨日はどうでしたぁ」  横から覗き込む様に一臣を見る七瀬。 「昨日ですか。上手くいって麗奈とより戻しましたよ」  それに一臣が眉間に皺をよせ言葉を返すが、一臣自身はそれに気付いていない。 「本当ですかぁ」  七瀬が口を尖らせて念を押すように尋ねる。
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